-フェンスの内と外への印象と破れ窓理論(単なる境界ではない役割)-
廣岡屋商事(株)は、旗ポール建て隊だけでなく、公共の建築物や会社社屋の大型フェンス工事もやっており主力事業です。
旗ポールは組織の一体感には欠かせない造作物ですが、フェンスは防犯、防音、境界の認識など役割がありこちらも面白い増作物です。
特にフェンスは、近隣との関わり方で重要な造作物ですね。
今回は、西宮市の工事を元請けでさせて頂いた事例で、フェンスの重要な役割と良いフェンス工事のポイントをご紹介します。工事見積と業者選定にお役立てください。
-工事受注の経緯ー
2018年6月18日大阪北部地震が発生し、ブロック塀が倒壊し小学校4年生の女子児童が犠牲となった傷ましい事故が起こりました。地震により小学校のブロックが倒壊し、女子児童が下敷きとなり犠牲となったものです。
工事方法並びに点検方法含め社会問題化し、建設業を営む当社も残念に思う事故でした。
地震の後、行政側の点検は、迅速にすすみブロック塀の建て替えが進んでいきました。西宮市では、西宮中央体育館別館のブロック塀も解体し防音フェンスに置き換えがきまりました。当社は入札で受注しました。
当時は、ブロック塀の置き換えの補助金などもあり民間家屋にあったブロック塀も置き換えが進んでいたようですね。
西宮市政ニュース(現在補助金の締め切りは終わっています。)
その他、兵庫県ではブロック対策相談窓口が設置されておりますので参考にしてください。
-西宮中央体育館別館の防音フェンス-
さて、西宮中央体育館の工事案件は、大阪北部地震の点検により派生した案件でした。老朽化していたので見栄えを含めて建て替えるような意図だったと思います。ブロック塀を解体して防音フェンスにするものです。長さ270mの施工でした。
-良いフェンス工事にするための流れとポイント-
当社は、フェンス工事を受注する際に以下のような流れで進めます。また工事のポイントをまとめると以下のようになります。
<流れ>
「ブロック解体」 → 「解体した後の基礎部分の補修」 → 「新しい基礎ブロックの設置」 → 「フェンス取付」 → 「完成」
(ポイント「施工費用と見積書から見えない部分」)
安全無事故は工事現場の大前提ですが、それ以外に廣岡屋商事では良いフェンスにするために各工程には以下の注意をはらっています。見積書だけでは見えませんが、素材や職人の数と単価だけでは業者の選定が難しいと思いますので、参考にしてください。
⦁ ブロック解体
完成後のイメージとその後の工事の段取りを考えて解体します。フェンスは、ブロックよりも細い線で繋ぐことになるので、基礎が悪いとガタガタになりやすい設置工事です。その為、ブロック解体はブロックを取り除くだけでなく、基礎部分を整地できるか考えて解体します。
解体した後の基礎部分の補修
ブロック解体後、基礎部分の補修を行います。この時に、たいがいイレギュラーが発生します。過去の基礎工事の仕方によっては、ほんとにひどい目にあいます。こういう工事がまだ社会的にもまかり通っていたし、それでも許された時代があったのですが、それでは、大阪北部地震の教訓が活かされません。
今回も埋設物が多数ありました。こういうイレギュラーはほんと工数がかかるので、他で手抜き工事をしてしまう原因にもなります。当社の仕事は、後々に禍根を残さないためにもこういったものも取り除き、次の補修のしやすさなどにつなげていきたいものです。
⦁ 新しい基礎ブロックの設置
基礎ブロックをおいていくだけなら良いのですが、ここでも手を抜けません。
- 基本ブロックへの強度補強
- 基礎ブロックのための埋め込み寸法の確保
- 古い擁壁をつかった基礎の代用
などなどです。①のブロック解体である程度基礎ブロック設置で発生する作業を予測(工事方針)しますが、息の合った職人さんたちとの現場では、工事方針がぴったりと合うので面白い現場になります。
今回は、狭い歩道も隣接していた現場でしたので、基礎ブロックなどを設置するのに十分なスペースや埋込寸法を確保するために、工事方針を変更する事がしばしばありました。
⦁ フェンスの設置
基礎ブロック設置が終わればフェンス設置です。今回は、防音フェンスでしたので、施工工程が多くなりました。メーカー品を組み立てているので、単純作業に見えますが、耐久性を持たせるためには、ベテランの職人さんの腕に加えて、製品知識を再度確認したうえで組み立てます。
作業効率のために経験だけに頼り作業を省力化しがちですが、強度をしっかりと保持するためには省けない仕事もあります。
-フェンス設置の意味-
工事完成後、近隣の市民も安心して通行ができるようになったはずです。工事期間中はご迷惑をおかけしました。工事後は、次のような点で、違った印象で体育館を見てもらえるようになったのではと感じています。
ブロック塀であった時には、敷地内の境界区分、出入口のコントロールといった外側と内側の区切りのような存在で隔離された施設でしたが、防音フェンスにすることで、境界や出入口は明確にしつつ、体育館を利用していない近隣の人にも配慮している市の施設としてフレンドリーな存在になったと思います。
「体育館なので、声を出す人もいますが防音フェンスで音漏れがしないよう勤めています。」といった存在になったのではないかなと思います。
-破れ窓の理論はフェンスにも共通-
「破れ窓の理論」ってご存じですか?
「破れ窓の理論」は、1枚の割れた窓を放置すると割られる窓が増えて、建物が荒廃し、いずれ町全体も荒廃していくというアメリカの研究者が提唱したものです。
かつてニューヨーク市では、こうした理論に基づき、割れ窓のような小さなほころびを放置せず小さな芽を摘むことが大切ということを説き、犯罪の抑制に成功したことがあるようです。
古くなってさびているフェンスは、同じような存在になっていないか気になることがあります。古くなって穴が開いたところからゴミを投げ込まれ不法投棄の場所になっていたります。修繕対策が遅れると見るに堪えない場所になってしまうこともあります。
西宮中央体育館のように新しくブロックからフェンスに置き換えるような工事は大掛かりですが、修繕等はこまめにやらないといけないのかなと感じるようになりました。工事責任者としては、設置後補修が少ない工事を行うよう事業者としても心掛けたいところです。
今回は、いろいろ過去の教訓や気持ちの話が多くなりましたが、ただの工事に終わらせないためにまとめておきました。
当社のフェンス工事が増えるといいですが、ご対応しておりますのでよろしくお願いいたします。
「工事・調査依頼募集中」
廣岡屋商事では、公共の建築物や会社社屋のフェンス工事を行っています。メーカー直製品を用いて、安心価格、安心施工を実践しています。修理等でも分からないことがあればお問い合わせください。
問い合わせは下記のURL、または電話でお問い合わせください。
「保守メニュー紹介」
12カ所の点検項目を定期的に実施することで、故障予防に役立てていただいています。詳しくは下記URLよりご覧ください。
「レンタルメニュー紹介」
イベントなどで大型、長物の旗がご入用な場合に、レンタル製品もご用意しております。国際イベントや警察や自衛隊の「観閲式」など国旗掲揚など重要なシーンにお役立てください。
環境負荷にやさしく、高く存在感のある当社「ジラフポール」が皆様の式の風格を高めるお手伝いをいたします。詳しくはホームページをご覧ください。
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